白鵬が引退を表明して、大相撲を支えた一時代が幕を閉じます。誰もが認める偉大な記録を打ち立てた大横綱です。2021年9月30日に日本相撲協会の理事会で、正式に現役引退が承認され、10月1日に引退会見が開かれました。
大横綱・白鵬について振り返ってみましょう。
父もモンゴルの英雄
白鵬翔は、1985年3月11日生まれで、2000年に15歳でモンゴルから来日しました。それから21年間苦難を乗り越えて、大横綱として大成し36歳で現役引退を決断しました。
身長192cm、体重155kg(日本相撲協会公式サイトより)の立派な体格ですが、来日した当時は60キロ台の細い体の少年で相撲も未経験でした。
相撲部屋のスカウトの目に留まらず、諦めて帰国する寸前に、同じモンゴル出身の旭鷲山が尽力してくれて、なんとか宮城野部屋への入門ができました。最初は新弟子検査に合格できる体重(当時75kg)を超えるまで、食べることが稽古の状態からのスタートでした。
父はモンゴルで有名な英雄です。モンゴル相撲の最高位であり、レスリングで5大会連続五輪出場を果たしているのです。1964年の東京五輪にも出場し、1968年のメキシコ五輪での銀メダル獲得は、モンゴル人初の快挙でした。
偉大な父の名を汚さないように必死に稽古に取り組みました。体の成長とともに、その父から受け継いだ才能が開花し始めます。
2001年の初土俵から約3年で2004年に初入幕昇進、2007年に22歳で横綱に上り詰めました。父がモンゴル相撲で最高位についた22歳と同じ年齢ということも、何か感じるものがありますね。
白鵬の偉大な記録
初土俵から約20年間、引退を決意するまで勝つことにこだわり続けました。様々な記録を更新して、歴代1位を数多く作っています。
優勝した回数、勝ち星の数、横綱の重責を務めた期間、どれも歴代1位の素晴らしい偉業です。白鵬が刻んだ偉大な記録の一部を紹介しましょう。
・幕内優勝回数45回で歴代1位(2位は大鵬の32回)
・全勝優勝回数16回で歴代1位(2位は大鵬と双葉山の8回)
・通算勝利数1187勝で歴代1位(2位は魁皇の1047勝)
・幕内通算勝利数1093勝で歴代1位(2位は魁皇の879勝)
・年間最多勝回数10回で歴代1位(2位は北の湖の7回)
・横綱在位84場所で歴代1位(2位は北の湖の63場所)
引退後は間垣親方に
平成の大横綱であり、歴代ナンバーワンの力士と言えるでしょう。白鵬を超える記録を残す力士は、今後現れないかもしれません。
2019年に帰化をして日本国籍を取得、引退後も角界に残る準備を進めていました。現役引退後は、間垣親方として指導することになります。
将来、白鵬が指導した愛弟子が、白鵬の記録と争うような光景を見たいものです。期待しましょう。
公式サイト:https://www.sumo.or.jp/ResultRikishiData/profile/2320/index.php/
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