オリンピックで空手の形が世界を魅了しました。東京五輪で新競技として採用された空手は、「組手」と「形(かた)」の種目があります。
空手の形は、日本的な要素が最も実感できた種目のひとつと感じた人は多いでしょう。見事活躍をした日本選手、男子金メダルの喜友名諒と、女子銀メダルの清水希容にスポットライトを当ててみましょう。
空手の形の魅力
空手の1対1で直接対峙し、突きや蹴りでポイントを競う「組手」では、世界各国の選手が活躍し、空手発祥国の日本が少し苦戦している状況でした。それだけ世界中に空手が浸透している証でしょう。
もう一つの種目である「形」は、仮想した複数の敵に対して防御や攻撃をする迫真の演武が特徴です。宣言した形をおこない技の切れやスピード、正確性、力強さ、呼吸など様々な内容を採点します。シーンとした空間に選手の気迫でピーンと張りつめた厳かな感じさえします。目力・声・動きなど全てが凄まじい迫力です。
武道の神が舞い降りたような神秘的な感動を味わえます。これぞ日本武道の精神といった心技体が、空手の形を通して感じられるようです。
喜友名諒が金メダル
男子形に出場した喜友名諒は、圧倒的な鬼気迫る演武を披露し、空手の発祥である琉球王国の地・沖縄県に五輪初の金メダルをもたらしました。仮想の敵ですが、リアルに戦っている気迫が感じられました。
喜友名諒は、1990年7月12日生まれ、沖縄県沖縄市の出身です。身長170cmですが、空手着で演武する姿はとても大きく見えます。
5歳から道場に通い始め、興南高校から沖縄国際大学に進み活躍しました。2012年から全日本空手道選手権大会を9連覇、2014年から世界空手道選手権大会を3連覇しているレジェンドです。沖縄劉衛流空手・古武道龍鳳会に所属しています。
金メダル獲得後の武道場でひとり正座して一礼する姿は、日本の武道・空手道を極めた心を感じました。
清水希容が銀メダル
美しすぎる空手家として魅了した清水希容は、女子形で惜しくも僅差で金メダルは届きませんでしたが、見事な演武で銀メダルを獲得しました。演武時の凛々しさと気迫はかっこよく、多くの人を魅了したことでしょう。さらに競技以外で見せるチャーミングな美しさも素敵と評判で話題になっています。
清水希容は、1993年12月7日生まれ、大阪府吹田市の出身です。兄の影響で小学生の時に空手を始め、東大阪大学敬愛高校から関西大学に進み活躍しました。2013年から全日本空手道選手権大会を7連覇、2014年から世界空手道選手権大会を2連覇。ミキハウスに所属しています。
空手の素晴らしさを伝えたふたり
喜友名諒と清水希容の両選手の活躍は、空手の素晴らしさと感動を与えてくれました。たくさんの子供たちが空手に興味を持ったことでしょう。
パリ五輪では空手は採用から外れますが、世界各国に愛好者が多く、2028年ロサンゼルス五輪での復活が望まれます。
コメント